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ゲーム、ガジェット、どうでもいい話

カードの説明をしない初期のデュエルマスターズ

ブックオフで「マジック:ザ・ギャザリング」を扱っていた頃に『デュエル・マスターズ』をふと見かけたので買いました。

基本的に子供向けの漫画なので、大人目線で読むとツッコミどころ満載であり、それはそれで面白いんですが、「マジック:ザ・ギャザリング」の知識がある状態で読み直すと、割と真っ当にデュエルしていることに気が付けるので面白いです。

なにせ、デュエルマスターズって、カードゲームをテーマにしてるクセに、カードの説明やコンボの解説などをせず、勢いだけで突っ走っている内容でしたからねぇ……。今はどうか知りませんが。

 

まぁせっかくだから、カードの解説を交えながら、初期のデュエルマスターズの紹介をします。

 

1巻第1話:帰ってきたデュエリスト 勝舞 VS NAC

勝舞が使っているのは3年前に父が残したデッキ。連載時は99年なので、おそらく96年までのカードで構成されていると思われます。

NACのデッキは、モデルになった中村聡氏がアジア太平洋選手権98で使用した「スパイクの誓い」デッキ。

 

勝舞の1ターン目「ライブラリーオブアレクサンドリア」。ギャラリーから「それは禁止カードのはず!!」という突っ込みが入ります。96年なら、制限カードとして1枚投入できたから当然のように入っているってことかねぇ。それならMoxシリーズや<<Black Lotus>>もこのデッキに入っているのか。

ちなみに当たり前のようにカタカナで記述されていますが、このカードに日本語版はありません。

Library of Alexandria
土地
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
(T):カードを1枚引く。この能力は、あなたの手札にカードがちょうど7枚ある場合にのみ起動できる。

Library of Alexandria - MTG Wiki

NACの1ターン目。森からの<<エラダムリーのぶどう園>>。

Eladamri's Vineyard / エラダムリーのぶどう園 (緑)
エンチャント
各プレイヤーの戦闘前メイン・フェイズの開始時に、そのプレイヤーのマナ・プールに(緑)(緑)を加える。 

エラダムリーのぶどう園/Eladamri's Vineyard - MTG Wiki

 毎ターン、緑マナを2つ追加する効果であるものの、一旦マナプールに入ったマナは使い切らないとマナの数だけダメージを受けます(マナ・バーンという。現在はこのルールは廃止)。そのため、勝舞は2ダメージ受けることに。開始早々、実際のデュエルでそうそう見ることのないマナ・バーンを説明し出すのか……。

 

その後、NACはぶどう園のマナを駆使してスパイクを次々召喚。

Spike Weaver / スパイクの織り手 (2)(緑)(緑)
クリーチャー — スパイク(Spike)
スパイクの織り手は、その上に+1/+1カウンターが3個置かれた状態で戦場に出る。
(2),スパイクの織り手から+1/+1カウンターを1個取り除く:クリーチャー1体を対象とし、その上に+1/+1カウンターを1個置く。
(1),スパイクの織り手から+1/+1カウンターを1個取り除く:このターンに与えられるすべての戦闘ダメージを軽減する。
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スパイクの織り手/Spike Weaver - MTG Wiki

Spike Soldier / スパイクの兵士 (2)(緑)(緑)
クリーチャー — スパイク(Spike) 兵士(Soldier)
スパイクの兵士は、その上に+1/+1カウンターが3個置かれた状態で戦場に出る。
(2),スパイクの兵士から+1/+1カウンターを1個取り除く:クリーチャー1体を対象とし、その上に+1/+1カウンターを1個置く。
スパイクの兵士から+1/+1カウンターを1個取り除く:スパイクの兵士はターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。
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スパイクの兵士/Spike Soldier - MTG Wiki

 すぐにこれらのクリーチャーを召喚できるマナがあるとは思えないので、何ターンか経っていると思われます。この辺りからターンの描写が物凄く曖昧です……。

スパイク軍団から次々ダメージを受けた勝舞は防御のため、「モート」を使用。これも日本語版なし。

Moat (2)(白)(白)
エンチャント
飛行を持たないクリーチャーは攻撃できない。

Moat - MTG Wiki

スパイクは飛行を持たないため、このカードがあれば完全に守りきれます。ただ、このカードの説明は一切出てこないため、なぜ守れているのかよく分からないことに。

ある程度土地が貯まってきたからか、勝舞は<<火の玉>>でNACに直接ダメージを与えてきます。この時点でNACのライフは8。<<火の玉>>だけで12ダメージを与えたとも考えられないし、かと言ってクリーチャーを召喚している描写もないし、一体いつの間にこれだけダメージを与えたのか。例によって、<<火の玉>>の説明はなし。まぁダメージを与えるカードって描写はあるけどね。

Fireball / 火の玉 (X)(赤)
ソーサリー
好きな数のプレイヤーかクリーチャー(それらの組み合わせでもよい)を対象とする。火の玉はそれらに、Xを端数を切り捨てて均等に割った点数に等しい点数のダメージを与える。
火の玉を唱えるためのコストは、2つ目以降の対象1つにつき(1)多くなる。

火の玉/Fireball - MTG Wiki

 

「モート」のおかげでダメージ与えられないNACは<<忍び寄るカビ>>を使用して「モート」を破壊。

Creeping Mold / 忍び寄るカビ (2)(緑)(緑)
ソーサリー
アーティファクト1つか土地1つかエンチャント1つを対象とし、それを破壊する。

忍び寄るカビ/Creeping Mold - MTG Wiki

このシーンの「忍び寄るカビ発生!!」「そんな!!おれの唯一の防御手段の、モートが壊されていく!!」は妙に印象が残っています。

この後、勝舞はスパイクからの攻撃を受け。残りライフは2。土地は1枚でクリーチャーは0という状況に。土地が1枚しかないのにどうやって「モート」を出したんだよ、という突っ込みが出てきますが、NACの使う「スパイクの誓い」デッキは土地破壊型のデッキなので、描写がないだけで次々と勝舞の土地を破壊していったんだと思う……たぶん。

 

ともかくそんな絶体絶命の状況下で、勝舞は<<天秤>>と「ズーランオーブ」のコンボを決めます。

Balance / 天秤 (1)(白)
ソーサリー
各プレイヤーは、コントロールする土地の数が最も少ないプレイヤーがコントロールする土地の数に等しい数だけ、自分がコントロールする土地を選ぶ。その後、残りを生け贄に捧げる。同じ方法で、各プレイヤーはカードを捨て、クリーチャーを生け贄に捧げる。

天秤/Balance - MTG Wiki

Zuran Orb (0)
アーティファクト
土地を1つ生け贄に捧げる:あなたは2点のライフを得る。

Zuran Orb - MTG Wiki

「ズーランオーブ」により、土地を生贄に捧げてライフを回復したのちに、相手と自分の場のパーマネントを同数にする<<天秤>.を使用することで、NACの場は壊滅。勝舞は何とか2点のライフを回復することができます。

でも、両方のカードの効果が書いてないから、勝舞のライフが回復してNACの場が壊滅したのか漫画を読むだけだとイマイチよくわからない状態に。

あと<<天秤>>って禁止カードじゃあ……。

 

まぁともかくこのコンボを見たNACが勝舞の成長に感銘し、勝負はここでストップ。第1話はここで終わりです。

 

こうしてみると、この回で勝舞の使っているカードって、入手困難な古いカードばかりです。なので、当時ギャザを初めて見ても、実際にこれらのカードの効果を知るまで結構時間が掛かりました。

勝舞のデッキの大半は日本語版が存在しない英語版のカードで構成されていると思うんですが、勝舞は英語を読めたのか気になるところ。

第2話以降についても時間があったら紹介します。