超速変形ジャイロゼッターは何故失敗したのか・・・
来年の2月に超速変形ジャイロゼッターが稼働終了するそうで。
アニメも終わったし、玩具も発売されなくなったし、これでジャイロゼッターの展開は完全終了ってことなんでしょうね。悲しい。
昨年の6月、ゲームセンターでジャイロゼッターの筐体を見かけ、試しに遊んでみたら筐体が効果音と共にリアルに変形して驚愕してから、すっかり虜になって遊んでいただけに思い入れも結構ありますしね。
ただ、スクエニの株主総会で名指しで批判されるレベルで、このゲームは赤字の原因だったそうですから、稼働終了も止む無しって気はしなくもないですけども。
ゲームもアニメもそれぞれ単品として見れば、そんなに悪くはなかったとは思いますが、細かい点で見ればやっぱり不満はあります。そういう不満の積み重ねで見向きされなくなったのかねぇ。結局何が悪かったのか?1年4ヶ月の間ジャイロゼッターを楽しんで、思ったことをツラツラと書きます。
アーケードゲーム
・ドライブモードの異常な難易度
チュートリアルでドライブモードの操作方法やドリフトなどのテクニックを教えてくれますが、それだけだと全然足りない。それだけの情報だと、まず間違いなく壁にガンガンぶつかり、マトモに走ることができず、なにこのクソゲーで終わります。
新1弾から難易度設定ができるようになり、壁にぶつかりにくくする設定もできるようになりましたが、もう手遅れですって・・・。
とりあえずデフォルトで選択できる車をスポーツカーのライバードにするのがそもそも間違っています。
スポーツカーは速度が速いけど操作し辛いため、速度が遅いけど操作が楽なエコカーを使うように促さないと、満足に走ることができません。とはいえ、このゲームは独特な操作だから始めたばかりだとエコカーでも結構難しいんですけどね。
・乱入してくるボスキャラ
バトルモードに入ると、ランダムでボスキャラが乱入してきます。
ボスキャラはボスなので、当然強いです。対策が必要です。でもランダムで乱入してくるので、対策し辛い&始めたばかりだとワケのわからないうちに理不尽に負ける、というどうしようもないことが起こるんですよ。
確かに乱入してくるボスキャラは他のゲームでもありますが、最近のこの手のゲームは対戦相手を選べるようになっていることが多いので、この仕様はやっぱり頂けません。
新1弾からステージ選択制に変わっているので、最初からそうしておけよ・・・と思うところ。
・使える車種の種類の少なさ&同じようなカードばかり排出される
実車を扱えることをウリにしている割には、使える車種がどうも少ないのが気になります。
少なさを補うためか、色違いやポーズ違いの同じ車のカードばかり排出されてゲンナリ。一体ごとにモデリングなどを作る手間が掛かるため、少ないのもわからなくもないけど、それなら能力値違いとか技違いとかを出して、違いをハッキリさせて欲しかった。また、後述の玩具の都合かもしれませんが、第5弾は新車がほとんどなく、既存の車の色違いやポーズ違いばかりで、酷かった。
アニメ
・そもそも販促になっているのか・・・?
アニメ単体で見ると面白かったと思うんですよ。
ちょいエロをテーマにしているからか、妙にエロいキャラがいたり、マイクマンの恋バナやバレンタインの1件みたいに全体的に狂った話があったり、シリアス調な話があったりと。駆け足気味だったけども、ラストでちゃんと伏線を回収してまとめたのも良かった。
ただ、販促になっているかと言われると「?」となるんですよね。インターネット配信で見ていると、CMがないのでこのアニメはアーケードゲームの販促アニメだとあんまりよくわからないような。
40話辺りでアーケードのシステムそのままで戦ってる分かりやすい販促回がありましたが、ニコニコのコメントを見ていると、明らかにゲームを遊んだことがないと思えるコメントがチラホラ・・・。
やっぱりギャグ有りの日常パートが多く、変形したロボットで戦ってる描写が少ない、アーケードのシステムを模していない、ドライブモード的なものがない、など本来ならメインに据えるはずの販促部分がどうもオマケ扱いになっているような。
・実車の少なさ
国内6メーカー協賛でせっかく実車がアニメに登場できるにもかかわらず、本作オリジナルの車種ばかりで実写の登場比率が明らかに少ないのも気になります。序盤だとメインキャラは5人いて、実車は2人が使っていますが、終盤になるとメインキャラは6人に増えているのに、実車はシュンスケのフェアレディZのみ。残り5人はオリジナル。
せめて、りんねは初めプリウスαに乗っていたんだから、AQUA辺りに乗り換えればいいのに・・・。
味方側がこんな感じなので、実車は敵組織が使ったり、モブキャラで登場するのみでほとんどチョイ役扱いでしたからね。
あと、日産と光岡の謎の優遇っぷりは何だったのか。ゲームもそうだけど。
玩具
・モーフィンミニカー&ラピッドモーフィンカー
途中で発売中止になる時点でお察しくださいというべきか。
安価の方の玩具「モーフィンミニカー」は本当に酷い。ヨドバシで実物を見て、これに800円も出す人はいるのか?と思えてきます。その後、200円だか300円だかで投げ売りされていたけども、それでも買おうという気にはならなかったですからね・・・。名前は知りませんが、ジャイロゼッターの玩具の横に売られていたほぼ同様のコンセプトの玩具の方が明らかに出来が良かったですし。
高い方の玩具「ラピッドモーフィンカー」は、まぁ値段相応と言うかそれなりには満足できます。投げ売りで買ったものですが。
ただし、車から変形できるようにデザインされていないので、ロボット部分はかなり強引に車体に収まっており、説明書がないと変形させるのが滅茶苦茶難しいです。それと、車体部分はロボットを収める箱の役目となっていて、車に変形させると、ロボット形態辛うじて使用されている要素はタイヤくらいしかなかったりします。
・ジャイロコマンダー
一目見て分かるショボさ・・・といっても、ほとんど似たような「アイカツフォン」がバカ売れしているところを見ると、ショボくても魅力さえあれば売れるんでしょうかね。
アニメの序盤では販促を兼ねてか、割とよく登場していたけど、あんまり魅力な感じはしなかったからな。なりきりグッズとしては弱いか。ほとんど通信ツールとしての役目しか果たしてなかった感じだし。
地味な問題として、最初から第5弾まで対応予定としていたから、予定より車種を増やすことが出来なかったからか、第5弾で新車が全然登場しなかったのがちょっと。
第0弾~第5弾までの対応だったので、もう少し対応する範囲を短くしてもよかったんじゃないかという気もします(前述のアイカツフォンは第4弾までだったので)。
まとめると・・・
メインターゲットの子供に車を題材としたコンテンツはウケるのか?という疑問もありますが、それを無視して原因を考えると、ゲームの取っ付きが悪すぎた、ってのが一番の原因だと思います。
新1弾での大幅なアップデートで改善したものの、すべてが遅すぎた・・・。
自分は筐体が変形するインパクトのおかげで遊び続けていたものの、面白いと思えるようになったのは結構後ですからね。
ただ、ハマると面白いので、止めるには惜しいゲームだと思います。ドラクエのアーケードゲームみたいにカードがそのまま使える家庭用移植版が出れば、まだマシなんでしょうけど、売れ行きの悪さを考えるとその可能性はまずないでしょうし。